追悼式典」が挙行されるからです。
今年も大勢の遺族や関係者が集まりました。11時55分、東京武道館の
中継と音声がつながり、12時の時報とともに1分間の黙とうです。
ロゼシアター中ホールが水を打ったように静まり返ります。厳粛な時を
刻んだ後、市長や来賓からごあいさつがありました。
戦没者遺族代表で登壇された女性の挨拶が印象的でした。旧満州で生まれ、
日本の勝利を信じて子供たち同士が軍歌を歌い鼓舞したそうですが、
戦争に敗れ、ソ連軍の進撃に命からがら逃げてきた様子を語られました。
挨拶文をひたすら読み続ける女性の後ろ姿を直視している自分がいました。
ご自身が経験された実話なので非常に現実味があり、戦争を知らない私は
私たちだけでなく次世代の子供たちにも戦争の悲惨さを伝え、決して
愚かな過ちを繰り返してはならないことを伝えていかなくてはなりません。
アメリカの大使が広島の原爆被害者追悼式に初めて参列したことは、65年
という永い年月を経ることにより薄れかけていた戦没者を追悼するという
国民的な機運の高まりにつながったものと思います。
家族との再会を信じつつ戦禍に倒れた先人の無念さを、豊かに生きている
私たちは忘れてはなりません。政治に携わる一人としてこのことを肝に
命じて平和な社会の継承に努めていきたいを思います。
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